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[202] 緑乃帝國「なにもかえない」 Name:あなたのSFコンテスト 2014/07/29(火) 01:26 [ 返信 ]
作者名:
緑乃帝國


作品名:
なにもかえない


分類:
短編


あらすじ:
中小店舗や個人商店が駆逐され、大型店舗とチェーン店だけが存在するようになった社会。だが変化はそれだけにとどまらず、次は拡大するオンライン商店が実在店舗を駆逐しはじめていた。一極化の進んだ世界を描く、社会学フィクション。


URL:
http://ncode.syosetu.com/n3871cf/


[437] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:鳥野新 2014/08/06(水) 04:01
 SFの役割に想定される一つの未来を描き警鐘を鳴らすというものがあると思う。本作はまさにこれで、そこに生きる人々の息遣いとともに、ある意味ディストピアが描かれている。
「ジョーシキあるヤツらの世界はきっと、ああいうモンで、回ってんだ」この一言が妙に胸に突き刺さった。はじかれた人々のなんと人間的なことか。
 重厚で空恐ろしい未来が描かれた秀作である、地味な出だしだが読み進めると味がある。是非お読みいただきたい。

[438] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:ジザパルーラ 2014/08/06(水) 06:51
 オンライン店舗に押されてリアル商店が消滅した未来をえがいています。ただ、いくらオンライン店舗が勢力を伸ばしても、倉庫管理や配送の仕事をしている人たちがいるかぎりリアル商店はなくならないと思います。仕事帰りに駅前の飲み屋でちょっと一杯やっていこうか、とかね。
 とはいえ、極端な未来図ではありますが、こうした世界が実現してしまう可能性もなくはないです。社会学フィクションの面目躍如たる一品でした。


[448] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:ゆきの鳥 2014/08/06(水) 15:03
所見ではキャラクター名がちょっとアレだったので敬遠してしまいました。読むと面白いです。
雰囲気と読後感になんともいえない味があります。
こんな殺伐とした未来は嫌? 二十年後の話? いえいえ、すでに片足突っ込んでますから。

[452] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:朝陽遥 2014/08/06(水) 21:22
 拝読しました。

 キャラクター名からコメディを想像しながら読み始めましたが、蓋を開けてみれば大まじめな社会派SF。ついしばしばAmazon先生に頼ってしまう己にはかなり身につまされるところがあります……

 わたしたちはいつも楽なほう、声の大きなほうに流されて、気づかないうちに自分の首を絞めている。未来の光景がディフォルメされているだけに、つい「そんな大げさな」と笑いたくなるのだけれど、笑ったあとで、何一つ笑い事じゃないなと我に返ってしまう。そんな苦いディストピアでした。


[462] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:ウはうどんのウ 2014/08/07(木) 08:01
 SF作品を読んでいるとよく感じるのですが、本文中の設定や説明を読むだけでも面白い作品があります。大抵の小説作品はキャラクターたちの動きやストーリー、文章表現などを楽しむものですが、それだけでなく作中の科学説明や舞台背景の説明が面白いことがある。「なにもかえない」は、まさにそんな作品でした。
 個人商店から大型店舗に客が流れ、オンライン商店が拡大し。客が店を選ぶ状態から、店が客を選ぶ状態へと傾いていった流れはお見事でした。車を買う人が減った、家庭というものが脆くなったことなど様々な要因が絡み合っているのが、まさに社会学フィクションだなぁと。説明部分を楽しく読ませていただきました。
 しかしそうであるがために、もっと他に書き方があったのではないかとも感じます。この文字数に納めるためにはこれで仕方ないことでしょうし、この形でも読んでいてとても面白いのですからいいのですが、登場人物ふたりのストーリーとこの説明をもう少し融和したほうが自然に読めたんじゃないのかと。面白いし綺麗にまとまっていますから、この形でいいのですけどね。個人的には背景説明をもう少し散りばめてほしかった。

 それにしてもこの社会で、もし自分がなにも買えなくなったとしたらと、恐ろしくなります。個人的に、ブラックリストに入れられた人間だけでなく、その家族も購入ができなくなる点に、強い恐怖を感じました。そのためその家族を切り捨てることで再び購入ができるようになるところに、むしろ救いを感じてしまったり。。。
 現実から映し出される未来を如実に表した、警鐘を鳴らす社会学SFでした。とても面白かったです。

誤字等報告
「ドキュンが強気に出られるのは、モニターの向こう側にだけだ。」→「ニイトが」?
「ドキュンのニイトの身長」→「ドキュンとニイトの身長」

 執筆おつかれさまでした。


[525] 踏み込みの深さ Name:栖坂月 2014/08/12(火) 13:53
とにかくアイデアの光る作品でした。何かしらの要素を掘り下げて因果を描く、SFという題材の基本だとも思います。
私がこの作品――というより作者さんに感心するのは、思い立ったアイデアに威勢よく、かつ物怖じせずに踏み込む姿勢ですね。主人公二人の名前を見ただけでもわかりますが、普通ならこんな名前はつけないでしょう。でも記号としての名前にこだわった、その結果だと思います。私自身もそうですが、何かしらのアイデアを思い浮かんだとして、大抵はそれにマイルドな味付けをほどこします。口当たりよく、あるいは反感を抱くことなく納得してくれるために。しかしこの作品は、それらを嘲笑うように大きく踏み込んでいます。アイデアに対する自信とか、情熱の強さとか、理由は色々あるだろうとは思うのですが、これは意識というよりも習性なんじゃないかなと思っています。才能と言ってもいいですね。
反面、そういった理屈が先走っているせいもあって、やはり説明的な文章が続くことはデメリットになると思います。ただ、だからといって特徴を捨てず、それでも尚読ませるために工夫しているところが素晴らしいですね。
好き嫌いは出る作品かと思いますが、明確な主義主張を持つ本作は無視のできない一作でした。
大変面白かったです。
それではー


[527] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:HEO 2014/08/12(火) 18:58
栖坂月さんの感想を読んで、気になったので読ませていただきました。

ああ、言ってた事はこういうことか。最初の一文でそう納得しました。普通ならこんな名前はつけないでしょう。確かにと。

なにもかえない。かえないことの恐ろしさ。ただ、まだこの世界には人が居て安心しました。僕の考える本当の恐ろしさは、人のはじき出された社会。つまり、情報と機械だけが経済を支配する世界なので。

希望があるから、絶望がわかる。この話からいろんな派生するお話が生まれそうです。そしてそれを読んでみたいと思いました。

[547] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:イチゴフラッペ 2014/08/14(木) 13:10
なにもかえない…なにも買えないのは怖いですね。排除する社会ですね。
題名のつけかたや主人公の名前センスを感じました。


[550] RE:緑乃帝國「なにもかえない」*ネタバレあり* Name:馬列木バキュン 2014/08/14(木) 14:35
何が驚いたって、馬列木ドキュンが女子だった事ですよ。口から魂が出そうなくらい驚きました。

[551] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:グラゼロ 2014/08/14(木) 16:49
ディストピアものとして非常にクオリティが高いです。
実際、アマゾンは店舗を持つ商店を駆逐することを目標にしているとも聞きますし、ありえる未来を描いた、すばらしいSFでした。

[561] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:諸林瓶彦 HOME 2014/08/15(金) 22:45
素晴らしい構成の作品でした。あえて欠点を上げるとすれば、それは作品に破綻がない所でしょうか。
例えば、登場人物。
ニイトもドキュンも、人格的には正常人の範囲内に収まっています。それゆえ、感情移入はしやすいのですが、もっとエキセントリックなキャラクターを一人登場させた方が、ディストピアが出たのではないでしょうか。
というのは、僕の好みの問題かもしれません。

大変面白く拝読しました。ありがとうございました。


[629] RE:緑乃帝國「なにもかえない」(ネタバレ) Name:逸取生 2014/08/23(土) 19:46
他の方も書かれていますが、ドキュンが女子だということにやられた……と思いました。文章ならではの面白さだと思います。
ラストで二人が見つめている町並みはブレードランナー的なものではなくて、一見ごく普通の、日常の夜景なのですよね。そこに恐怖を感じました。

良い作品をありがとうございました。

[634] RE:緑乃帝國「なにもかえない」【ネタバレ有り】 Name:桐谷瑞香 HOME 2014/08/23(土) 22:55
サブタイトルやキーワードから、軽い内容のものかと思っていたのですが、非常に深く重い内容でした。
近年ネットで購入している人が多くなっている中で、それを極端にし、それから起こる悪い方向が垣間見えました。
だんだんとオンライン商店が拡大していく件がわかりやすく、思わず読みいってしまいましたね。
クレーマー問題など、近未来のお話なのに今の世の中にもどこか通じるものがあり、考えさせられた小説でした。
1つのアカウント停止で他にも影響するなど、考えたくもありません。それで生死が左右されるのならなおさら。

最後の一文はぞくぞくときました。警鐘を聞いても動かなければ、何も意味がありませんね。


[849] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:平啓 2014/09/02(火) 15:30
想定された世界がとても魅力的でした。
かのツィートがこのような世界を生み出したかと感慨深いです。
説明の一文一文に引き込まれ、それがこの世界からはみ出した人物の描写から、くっきりと浮き上がってきました。
ただ、世界の描写が一般家庭と直結する経済流通だけに限られており
、この先話を膨らませようとしたら、いろいろ複雑なことになるので、人物のあり方が中途半端になったのは仕方ないと思います。

天災や不景気で、今の社会はどんどん流れについて来れないモノを切り捨て多様性を失っています。その流れにそのまま流されるままでいいのか、今の自分自身による前進を鼓舞する警鐘だと受け取りました。


[871] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:武倉 2014/09/02(火) 21:19
拝読しました!のは少し前で、どう感想を書こうか、と言うか、この作品で提示されている問題をどう受け止めようか考えている内に日がたってしまいました。

まず、作品どうこうで言えば、文句なしに素晴らしい短編でした。最後の一文はお世辞抜きに震えました。

社会学フィクションと言う面目躍如の目の付け所に問題提起。しかもそれを冗長に連々と並べ立てるだけでなく、ドキュンとニイトと言うガールミーツボーイストーリーでしっかり魅せて来る。脱帽です。

ここから先は、この作品が内包する問題への感想です。

「なにもかえない」が問題提起としてかなりの射程を含んでいるなぁ、と感じたのはこのディストピアの世界で生きている二人が(あえて記号を外して書かせてもらうが)DQNとNEETの若者である事。
ここには、それ一つでも重要な、経済合理性が多様性を飲み込んだと言う命題だけではない、また別のディストピアを引き起こしかねない、文化資本、教育、階層の固定化、経済的文化的貧困の再生産の問題が顔を覗かせて居ると感じました。

加えて、印象的だったのは、弱肉強食と適者生存の話。

「強い」とは何かを勘違いしていると、高度経済成長から更なる上を目指した新自由主義の誤りを指摘するのにふさわしいここの下りだが、逆説的に、多様性を確保できない者は強者足り得ないと絶望を突きつけても居る気がしてなりません。
土地や家が余っていると言う描写もありました。今後、人口規模が縮小し、より効率的に社会を運営していかなければならない中で、効率的であることの毒を突きつけられることの辛さ。

なんとも重い読後でしたが本当に素晴らしい作品でした。常に考えていかなければならないですね。

ただ、一点、「なにもかえない」のは僕らではないと言う意見は、極々個人的なスタンスから最後に付け加えさせて頂いて締めさせていただきます。

乱筆乱文失礼しました。


[887] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:拙者 2014/09/02(火) 22:47
拝読いたしました。
今、この場から地続きの静かなディストピア。
それこそ買い物はamazonでポチる、が常態化している私にはとても衝撃的で恐ろしい光景でした。
流通と小売りの形態の変遷の説明が的確で解りやすく、
同時に、まったく対照的な経緯で社会から「はじかれた」二人の生い立ちと重なり、ボーイミーツガールの物語へと繋がっていく……
(ガールだったのですね! (゜□゜;))
これは上手い。面白かったです!

勝手な感想失礼しました

[1198] テーマは秀逸 Name:天崎剣 HOME 2014/09/07(日) 08:48
これは、流通業界に働く方々には耳の痛い話ではないでしょうか。
わたくし天崎も、山形の田舎町に住んでいるので、本当に必要な物は、大抵amazonぽちぽちですとか、yahooですとか、あとはその他諸々通販に頼りきりです。
まず、無いんです。物が。
あれ、売ってるはずだよね。店に行ってみよ→無い。
おかしいな、発売日過ぎてるし、他の店なら→無い。
この繰り返しです。
申し訳ないんですが、地元商店街に必要な物がないとなると、買い物が出来ません。取り寄せしてくれるとは言っても、結構時間かかりますし。今欲しい、に、対応できない。結果、商店街は衰退していきます。
当然のように普段の買い物はスーパー(イ○ン系列)になりますし、それでも手に入れられなかったら通販ですよ。

こういう身近な題材を使って、ものすごいディストピアを作り上げたなぁと、感心しました。
そして、ドキュン女の子だったんだ……と、これが一番びっくりしたんですが、脳内補正するの大変でしたがどうしてくれよう。

経済問題は取り扱いにくいので、この切り口は素晴らしいと思いました。
実生活と切り離すことの出来ない問題だけに、本当はもっと知らなければならないハズなんですけどね。どうしても、目を逸らしたくなる。
それは、自分の「便利さ」をどうしても優先してしまうからに他ならないのですよね。

世界観の説明はちょっとくどいところもありましたが、いや、必要な説明でしたから、ココは良かったと思います。
読み終えて、これからどうなるのだろうと考える、考えさせられる話は、この企画でもいくつかありましたが、そういう作品は心に残りますね。
良作だと思います。オススメです。


[1321] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:守分結 2014/09/09(火) 07:33
とても読み応えのある作品でした。
このような未来社会を、誰かが計画を持ってデザインしたのではなく、現在から繋がっていく変化の中で行き着く先がこうかもしれないと思わせられたことが、大変怖く感じました。
ネットで商品が買うことが普及し始めた頃、少量多品種の品揃えで、自宅にいながらクリック一つで手に入れられる、時間や居住地にとらわれない自由で夢のような生活だと思ったことを思い出します。全ての情報が関連づけられ、何かで一つつまずいたら、この二人のようになるかもしれないというのは、当初は考えもしなかった社会の有様でしょうね。
一方で、ここまで極端にはならないんじゃないかと楽観的に考えたいとも思っていた、その矢先、最後の一文に頭を殴られました。
息の詰まる整然とした絶望をありがとうございました。


[1334] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:キョウノ アリス 2014/09/09(火) 16:10
「なにもかえない」かなり前に読ませていただきました。感想までこぎつけなくて、今になってしまいました。
集団対個人なんでしょうか。大企業対中小企業、社会対個人そこには個性も何もないマニュアル化された社会になり、個人もマニュアル化されてしまってる……。いろんなことに警鐘を鳴らす作品ですね。
通販を頻発に利用する者としては耳が痛いお話でした。
そして最後の言葉はやはりぞくっとしました。
上手いタイトルです。
拙い感想ですみません。


[1354] RE:緑乃帝國「なにもかえない」【捻くれ注意】 Name:小豆犬 2014/09/10(水) 02:14
「なにもかえない」拝読しました。現在から地続きのディストピアを、丁寧でありながら、切れ味の鋭い文章でした。現在社会において両極端な二人に知らず知らずに感情移入していたのは、やはり見せ方の妙だと思います。救いようの無い二人に感情移入できたのは、状況の変化を共感できたからでしょう。二人が人気の無い町をフラフラ歩いている姿を想像すると滑稽です。

 さて、こういう思考実験大好きなんで少し考えてみました。たまには変化球もいいかなと。

 少し時代を遡って、江戸時代。流通の活性化と貨幣経済の普及により、経済は肥大して行きました。言葉を変えると、消費者を拡大して行きました。今まで自給自足していた者が、金になる作物を栽培し、綺麗な服を買い、酒を飲み、挙げ句は伊勢参りに行く。江戸時代は言ってみれば、みんなして消費者になって行った時代でした。この図式って現在も変わらないと思います。灘の酒がビールに変わり、伊勢参りが海外旅行に変わっただけ。
 経済の発展は常に消費行動の拡大に行き尽きます。面白いのは、この拡大、社会のつまはじき者にも及んでいたことです。いちげんさんお断りの大店の代わりに個人の古着屋が、料亭の代わりに屋台のうどん屋。ニートなんて、厄介叔父のことですし、こいつら、博打やらなんやらやり放題。何が言いたいかと言うと、ニートやドキュンなんて、目新しい言葉が付けられただけで、珍しくもなんともなかったってことです。存在したのは、社会の変動のみ。馬が車になり、金本位が管理通貨になっただけ。目指すところは、消費の拡大。ニートやドキュン、ブラックリストに載った者も結局は消費者でしかない訳です。もし、文中にあった家庭崩壊や、車の減少があったところで、それすらも消費に結び付けられるでしょう。あんまりいい例が思い付きませんが、引きこもり専用ケータリングサービス、偽アカウント業者やらが横行するだけ。ドキュンなんて流行に踊らされてるだけですし、腐った鶏の肉を喜んで食べてます。
 
 結論から言うと、作中のドキュン、引きこもりが、あたかも、世界で一人づつしかいない様に描写されていたのがミスリードの仕掛けだったと思います。
 なにもかえない……、人は変わりません。社会は変貌していくけれども。


 うーん、真面目に考えすぎか。有り得るディストピアへの警鐘として受け取っておく方が世のため人の為にはなりそうですが。


[1362] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:深津弓春 2014/09/10(水) 06:08
 経済、流通、商業とその非人間的システム、近視眼的利益追求とそれを受ける消費者側――現代社会とそれをベースにしたものすごく近い未来像がそつなく描かれています。
 大本に大衆的な薄っぺらな倫理・道徳しかない上での自由競争資本主義社会における経済行為ってはなから地獄的要素を多く含んでいるのですが、それが露出するのは底辺からで、現代はまだぎりぎりのところで「ない」事にされているんですよね。
 作中では時代が進み、近未来、商売の形態が更に『合理化』されて一極化しつつあり、それがひいては文化的経済的人類的終局を招いている。
 社会的あれこれの要素への観察眼や示唆が一つ一つきちんと描かれており、その上で適者生存を絡めてそれを語る辺り、変にわき道にそれずきちんと感がえられた作品だと感心しました。

 「尋常じゃない『まとも』さ」というのは既に現代でも至るところで見ることの出来るものですが(コンビニとかよく見ていると、店員が人間扱いされている確率って三割もないくらいなんですよね)、異様なくらい誰もそれを口にしない。DQNやNEETと呼ばれるような、「社会のはみだしもの」として特別レッテル張りされるような人間が一回りしてその「まともな異様さ」に気がつくというのも、すでにフィクションでありながらほとんど現実に迫ったリアルな話であるのかもしれません。

 淡々とした語りと、ラストのインパクトは両方いい感じでした。

[1544] ネタバレRE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:征彌 2014/09/16(火) 22:00
「おっぱい」が出てくるまで男と信じて読んでたぁぁぁぁ!!
……失礼しました。

タイトルは「現状を変えないと将来何も買えないよ」という2つの意味が込められてるんですね。カッコイイです!

そして本文。
楽しく拝読しましたが、説明部分の理路整然としたところと二人の行動描写がちょっと遊離しているように思いました。うまく言えませんが、にぎり寿司の上と下がバラけてるような。
ディストピアだけに、逆に徹底的にバラしてカオスなちらし寿司にしてもいいのではと思いました。

あと、個人的にはこの後コメディ風味のヒャッハーな展開が続いてほしいなぁと思いました。(続きを所望という意味です)
せっかくおっぱいも出てきたんですし、どうか活用してください!

以上、感想と希望でした。

[1556] 深い話 Name:森都いずみ 2014/09/16(火) 23:00
この話は決して未来の出来事ではないと実感しています。今はネット通販の時代。家にいてクリック一つで商品が買えるし、届けてくれる。店から店へと渡り歩くよりずっと簡単だし、探し物が見つかる。
そういう私も先日、あるアイドルのCDを予約購入しました。ものすごく便利です。発売日に買いに行かなくてもいいし。

クレイマーは、どこからどこまでが本当のクレイムなのか微妙なところで、そこから逸脱するといちゃもんだし。今もそういうこと、多々あるようです。
だから、アマゾンなど返品する際はこの会話を録音してもいいか、と聞いてくるのでしょう。

そして注目する点は、親に捨てられた二人、親がそういう態度で育てたのに、ジョウシキを知らない二人になってしまったのは大人の責任なのにと怒りが入ります。あまりにも哀れでした。

話の流れがとても上手で、引きこまれるようにして全部読み終えました。ジョウシキの方から見るとこの二人は異端者のようですが、二人もこんな世界から生み出された被害者なんですね。

クレイマーの話ですが、911のテロの後、どこの航空会社もセキュリティーチェックでピリピリしていました。そこへあまりにも時間がかかってうんざりしていたどっかの親父が係り員に皮肉を言ったそうです。それが係員の逆鱗に触れ、その夫婦は一生、その航空会社の飛行機に乗れないことになったそうです。

万引き常習犯は、警察もチェックしていて、被害に合った店には、この人が店に入ってきたらすぐに電話してと言ってくることもありました。

もうこの話の未来が始まっています。未来をこんなふうにしてはいけないのです。そういう教訓ですよね。
楽しませていただきました。

[1688] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:仏師 2014/09/20(土) 10:49
問題提起のために極論的な世界観を書いている作品。
おそらく、人為淘汰では幸福になろうとするという指向性が働くはずなので、この世界はそれまでの価値観が変わるための過渡期なのではないかと。
つまり、ある種ディストピアのような世界の先には現代の我々が求める世界があるのかも。
そんな世界で、過去の価値観に囚われた二人のなんとも言えないやり取りから笑いと恐怖をいただきました。
楽しい読書の時間をありがとうございました。


[1863] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:ナマケモノ 2014/09/23(火) 23:59
 読ませていただきました。
 もしかしたら、あるかもしれないディストピアな世界。通販からこんな世界ができきゃうのかと、戦慄しながら読ませていただきました。
 テーマが前面にでており、またわかりやすいので最後まで夢中になって読み進むことができました。
 気になったことといえば、説明が多くどんな人が何をやっていたのか、わからなくなってしまうことが少しあったことでしょうか。
 それから、経済の動きって本作で語られてるほど単純じゃないよなって、読んでて思いました。電子書籍が普及しても紙の本があるように、通販が普及しても、その他の販売方法もそう廃れることはないと思います。

[1865] まるでカリカチュア Name:お茶龍 2014/09/24(水) 02:33
ヤッホー…。こんにちは、感想失礼致します。
社会風刺は好物なので、当然の如く読み受け入れております。しかも経済の話。これに食いつかなかったら私は何でしょうと聞きたくなりまして(ワタクシ事)。
サブタイトルの2名からしてもう皮肉なのもいいとこですが、それを最後に併せた手段。思わず唸りました。巧ーい!!、っと。
別々に語り併せて結び、ひと言一文のこの締め方もニクイ。まるで集団から締め出すかの如く痛烈な一撃だったと思います。また唸りますね。
感情を書かない事で恐怖心を醸し出す。総じて直球勝負というべきか、姿勢のほうに好感が持てました。
経済の発展で至上主義が満腔だと精神が崩壊する。それを如実にも想像させる。何回唸るだろうな(もういいかな笑)。
ではでは、面白かったです。


[2006] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:尚文 2014/09/29(月) 17:35
登場人物の名前が、皮肉めいていて良かったと思います。
かえない、という題名がそれぞれ深い意味を持って、作品に組み込まれていて、楽しめました。

[2041] RE:緑乃帝國「なにもかえない」 Name:百里芳 2014/09/30(火) 19:35
社会学的な手法を使って研究活動をしている私にとって、無視できない作品でした。他の作品を差し置いてでも感想を書かなければという謎の義務感にすら駆られています。

この作品は、一粒で三回美味しい作品でした。
読者として読んで、社会学者の卵(無精卵)として突っ込んで、みんなの感想を読んで驚きました。

 まず、一読者としては何も考えずに楽しめました。馬列木ドキュンという名前! ステキすぎる。「生まれつき」というのにも「ドキュン」というのにも社会学なフレーバーがするし。社会風刺や批判の香りがする作品が大好きです。

 次にこれを「社会学フィクション」として読んだ場合……。
 個人的にこの作品は「社会フィクション」であったとしても「社会学フィクション」ではない、むしろ「サイエンスフィクション」に近いと感じています。
 私見ですが、社会学をもってディストピアを語るのは相当困難です。というのも、ディストピアを描写する時、それはあくまでも読者(=現代的な感覚を持っている人物)にとってのディストピアでなければなりません(もしそうでない場合、エンターテイメント性を保つのが難しくなってしまうでしょう)。しかし社会構築主義的な観点から言えば、現代人と未来の人々の感覚は似ている様でいても違っているはずで、勢い現代的な意味でのディストピアと未来の人が感じられるディストピアは違っていなければならない。
この作品でも、ドキュンやニイトはかなり現代的な「常識」を持っています。それは読者の立場に立ってディストピアをディストピアとして享受する人物として描かれ、結果として「その時代に生まれながら世間のレールから外れていったもの」としての実態を持っていません。もし社会学的に彼らを描くとすれば、「その時代に生まれ育った結果ああなった」としなければならない所でしょう。
つまり、「現代的な視点で未来に希望や絶望を抱く」という点でこの作品はとても“SF”的で、「社会構築主義的な視点を欠いている」という点で社会学的ではない。まあ、言葉の問題であってあまり本質的な部分では無いのですが。
「社会学フィクションと言っておきながら社会学じゃないじゃないか! ちくしょーめー! これで作品が面白くなかったら、バヌアツ共和国式のイニシエーションを体験させてやっているところだ」なんて思っていたのですが、感想を書くにあたって読み返したらまた違った印象を受けました。
この作品が「近未来の人々や社会」ではなく「現代の社会システム」の方をより強く批判しているとしたら――。
現代的な常識を持っているドキュンとニイト。これは現代の私たち(やその行く末)が、全てドキュン・ニイト的であると(無理やり)読み解くことが出来る。
生まれつき(生まれた後の環境・教育によって)、あるいはひきこもり(メディアの情報の限定)によって、私たちはドキュン(暴力的)やニイト(内向的・独善的)な反社会的な人物に構築されていく。われわれが国際社会から置いていかれどんどんガラパゴス化していき、国内だけで仲良しこよししながら、ただそうすることしか出来ずに生きていくしかない。
こう考えると(曲解)、巨大な資本が招く未来の警鐘というよりは、国際社会から置いてかれるドキュン・ニイト(日本人)や彼らを再生産し続ける「日本社会」というシステムへの批判とも読みとれないことも無いでしょう。
深読みしすぎかなあ? 深読みしすぎだなあ……。
勝手な事を色々書きましたが、野に放たれた作品は作者の意図を離れて解釈されると言うことで、許して下さい。

 最後に、皆さんの感想を読んで。
 実はこう言った問題意識――グーグルとかアマゾンなどの巨大な資本・データベースに社会がコントロールされてしまうんじゃないかという懸念は結構前からある議題です。私の少ない蔵書の中にも、少なくとも8年前にこの問題が新書の中で取り上げられているのを確認しました。「あーこれ、8年前から知ってるわ―」と知識をひけらかしたい訳ではなく、ただ単純に感想を書いている皆さんがこう言った問題に対して無自覚であったこと自体に驚いています。
 つまり、この作品の中で問題提起されるまでネットで購入することのすごさや恐ろしさを感じられないほど、「ネットでお買いもの」が日常化していると言う事。人々の感覚が、ネットを「虚構」ではなく「現実(の一部、もしくは拡張)」として捉えていると言うことが見てとれてとても面白いです。

 つい長く書いてしまいましたが、何を言いたかったのかというと、存分に楽しませていただきました。ありがとうございます。

[2086] 「その仕事変わって下さい」 Name:URA 2014/10/03(金) 17:58
ずっと前に読ませて頂いてました。
チャットにて感想207件が理想とおっしゃっていたので、勝手な感想では有りますが書かせていただきます。

タイトル、キャラ名、落ちと素晴らしい点の多い作品です。
他の方も書いておりますので私は少し変わった方向から失礼します。

序盤、廃れていく小売店に対して、お前らもっと熱くなれよ!と言うメッセージ性を想像しましたがどうやら違うようでした。
この作品は未来への警鐘をならす作品です。警鐘をならすだけの作品です。警鐘しかならさない作品です。
作中に登場するキャラクターは個性的では有りますが、感情移入を前提としていないように思えました。そして、作者様の意図する方向性の様なものも見えませんでした。
キャラを使い、問題に立ち向かうような内容では無かったためです。
結果、読者に対して「これがこうなって、こうなると、こうなるよね?さあどうする?」と、共に傍観的立場より投げかけているような、作者様は作中世界に居ないような感覚になりました。
最後の一文は「わたしたち」ではなく「あなたたち」なんですよね…。

それがダメと言っている訳ではありません。あえて指針を示さず読者に対して考えて欲しいという事なのでしょう。

作者様はこの問題に対して何らかの答えを持ちあわせて居るのかもしれませんが、その辺は全く作品に書かれていないと思います。是非伺いたいです。

この世界に対する私の答え。
「なにもかえない」です♪

勝手な感想失礼しました。
ではでは〜。

[2261] 感想・コメント・ツッコミありがとうございました Name:緑乃帝國 2014/12/02(火) 11:31
 遅くなりました。
 参加者が総勢208名ということでしたのでコメントが207件集まるまで返信を待とうと思っていたのですが、これ以上は集まらなそうですので、作者よりレスポンスをお届けします。
 これを書いている現在で、こちらでいただいたコメントが29件。「小説家になろう」フォームからいただいたのが、感想が3件。レビューが2件。
 そしてtwitterからのコメントで52件をいただきました。
 総計86件。これは、企画参加者以外の方からいただいたものも含まれております。
 ありがたいと思う反面、すくねえな、と思うのもまた事実で。ですがこれが現状本作の持つ力であるのでありましょう。

 様々なご指摘、視点をいただきました。おそらく直接的に作中で描いたような仕事に従事しておられる方、そうでない方でも捉え方がまったく違ったことでありましょう。

 なぜ他人事なのか、というご意見もありました。おそらく本作で私の小説にはじめて触れられた方、そうでない方でも印象が違うでしょう。私が含まれていないのは今さら言及するまでもないからです。私の敵はいつだって私だ。同じく対岸にいながらにして川に突き落とすような真似をしたつもりは一切ありません。

 これは社会学ではない、という鋭い指摘もいただきました。今や単独の学問としてとらえるのもなかなか難しい社会学ではありますが、社会構築主義的な視点が(フィクション、システム的な部分に視点を裂いたとしても)薄くはあろうとも欠いている、とは認識しておりません。ですがまあ、さすがに専門でやられている方は突いてこられるなあ、と思いました。

 ともかくも、いくらかは読まれた方の胸ぐらをつかみあげたりぶん殴ったりできましたようで幸いであります。感想・コメントどうもありがとうございました。
 君に届け。



  



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